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コラム

生前贈与かそれとも亡くなってから?

残念ながら古今東西、相続争いが絶えることはありません。
「私の子ども達は仲が良いから大丈夫」という方でも、そこに嫁(よめ)や婿(むこ)が口を挟んできたらと考えるとどうでしょうか。
嫁や婿が介入し、子どもが兄弟姉妹と嫁婿の間に挟まれて苦しい立場に立たされてしまったら…。
これは争いの一例ですが、子どものためにも元気なうちに争いを予防してあげましょう。

1 法律と税金

財産を分けようと考えたときに、多くの方は税金のことを心配されます。
確かに、財産を移転するので課税の問題は生じます。しかし、法的な問題と課税の問題は分けて考えてください。
法的には可能だが多額の税金が発生する場合もあれば、税金は少額だが法的には難しいという場合もあります。
まず、頭の中で法律と税金の問題を分けて考えることで、手続も理解しやすくなります。

2 生前贈与

「生前」とついていますが、法的には通常の贈与と変わりません。
財産分けで行う趣旨の贈与を一般的に生前贈与とよんでいます。
通常の贈与と変わらないので、「無償で譲る」という意思表示と「もらう」という意思表示があれば法的には有効に成立し、証拠のために契約書など書面を作ります。
不動産であれば名義の変更を行います。
ここで、課税の問題が生じます。
通常の贈与ですので贈与税が発生します。
贈与税は、控除額もありますが最高税率が50%と高額です。
しかし、住宅取得資金の贈与を受けたときや相続時清算課税制度など、税法上の特例を利用すれば非課税になることもあります(詳しく知りたい方は国税庁のホームページをご覧ください)。
つまり、生前贈与は「法的にはラクだが税金のことは難しい」手続です。

3 遺言書の作成

ある人が亡くなり相続が開始したときは、相続財産を相続人で分けることになりますが、遺言書があればその内容が優先されます。
遺言書がない、または遺言書で分け方が記載されていない財産については、相続人全員で「遺産分割協議」を行うことになります。

「相続争い」とは、法的には「遺産分割協議がまとまらない」状態のことです。

相続争いを予防する一番の方法は、遺言書で分け方をきちんと記載し、争いの場である遺産分割協議そのものを無くしてしまえばよいのです。
ただし、遺言書は遺言者が亡くなったあとに効力が生じますから、その方式は法律で厳格に定められています。

例えば、遺言方式のひとつである自筆証書遺言においては,日付が入っていないだけで全部が無効になってしまいます。
自力で有効な遺言書を作成するには、それなりの知識が必要になってきます。
課税については相続税が発生します。相続税は、基礎控除や相続財産の評価の特例等があるので、贈与税に比べると負担はかなり少ないといえます。
つまり、遺言は「法的にはややこしいが課税は少なくすむ」手続です。

このように、どの手続をとったほうが良いかは、場合によって異なります。

ご自分の考えを専門家に相談し、最適な手続を探してみてください。

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